加曽利貝塚: 日本最大級の縄文貝塚 (日本の遺跡)

実はこの本は、千葉県立中央博物館で購入しました。Amazonで購入しようかと思っていたのですが、偶然見つけたので買いました。加曽利貝塚については、古くから知られる有名な貝塚であり、高度経済成長期に破壊されそうになっているところを、研究者や千葉市民が一丸となって守り抜き、今日まで支えて来た遺跡であるという事は何となく知っていましたが、この本には、その辺の詳しい経緯も書かれています。遺跡を守る事はいかに大変か、そして、それを維持して行く事もいかに大変か。加曽利貝塚は、粘り強い保存運動によって守られましたが、残念ながら破壊されてしまった遺跡も多い事でしょう。従来加曽利貝塚については「縄文時代中期から後期にかけての遺跡」と説明される事が多かったと思いますが、最近は「晩期にかけての遺跡」と紹介される事が多くなりました。晩期になっても人々が住んでいた事は分かっていたと思いますが、まともな発掘調査が半世紀近く行われなかった為に、はっきりとは書けなかったのでしょうか。半世紀ぶりに本格的な調査が再開されたとはいえ、まだまだ遺跡の９０％以上が土中に眠ったままになっているようです。更なる発見に期待したいと思います。